毎月の研修は加盟店の店内で実施することもあります。
ゼミナールでの分科会です。
最新の学術発表などを受講し専門的な知識を深めます。
湧永製薬の営業からの提案についてディスカッションしています。
実際の商品を手に取って勉強します。
加盟店の成功事例発表について研鑽します。
1月 | 正副会長会、常任理事会、理事会、連長会など |
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2月 | 正副会長会、部会長会など |
3月 | 春期ゼミナール |
4月 | 春期ゼミナール |
5月 | 正副会長会、常任理事会、新入会員セミナー |
6月 | 連長会 |
7月 | ヤング全国大会、連長会、日本在宅薬学会学術大会 |
8月 | 正副会長会、常任理事会 |
9月 | 秋季ゼミナール |
10月 | 日本薬剤師会学術大会、正副会長会、常任理事会、来期連長会など |
11月 | 来期常任理事会など |
12月 | 歴代会長会 |
● 父の想いを継いで、ひとり店に立つ
神戸市・中華街のすぐそば。賑やかさを感じる場所から、一筋路地に入った隠れ家的な落ち着いた雰囲気の薬局「神戸ファーマシー」はあります。
2023年1月に現在の店舗へ移転したこのお店を、一人で切り盛りしているのが岡本未佳先生。
店に入ると、「コーヒーが出てきそうだね」とお客様に言われることもあるという、やわらかく心地よい空気に包まれます。
● 会社勤めに憧れていた20代、そして30歳で薬局の世界へ
岡本先生は、もともと薬局で働くつもりはなかったそうです。
子供の頃の記憶に、薬局の良い印象がなかったためです。
そのため、初めは株式会社栃本天海堂に就職しましたが、退職するにあたり「何か仕事をしなければ」と考え、父に相談したところ、まずは日曜日だけ手伝うようになったといいます。
当初はスタッフも多く、日曜日のみの勤務でしたが、次第に金曜日も手伝うようになり、少しずつ店の中での存在感を深めていきます。
● 圭之輔先生とのあたたかい時間
三代目店主である小林圭之輔先生は、地域のお客様からもスタッフからも慕われる存在でした。
人柄と誠実さ、何よりも「人のために」という真っ直ぐな姿勢で、薬局を支え続けてきました。
言葉もよく交わす父娘で、二人で飲みに行くこともあったという岡本先生。
日々の仕事の話や、ちょっとした雑談、薬局への思いなどを、気取らず話し合える仲だったといいます。
お客様の声に丁寧に耳を傾け、過剰な提案はせず、その人にとって必要なものを見極めてすすめる姿。
そうした“父らしさ”を、岡本先生は自然と受け継いでいきました。
●父の死と、引き継いだもの
あるとき、管理薬剤師が60歳を迎えるタイミングで退職を決意。
もう一人のスタッフも離れ、薬局の人員体制は一気に厳しくなりました。
その後、岡本先生自身が新たな管理薬剤師に就任し、父とともに店を支える立場となります。
慣れない業務と責任の重さの中、できる限り父を支えようと奮闘していた岡本先生でしたが、その頃から圭之輔先生の体調は徐々に悪化していきます。
そして2013年7月、先生は静かに息を引き取りました。
大切な存在を失いながらも、「この店をなくすわけにはいかない」という想いのもと、岡本先生は薬局を引き継ぐ決意をします。
「父のようにはできないかもしれない。でも、私なりのやり方でしっかり守っていきたい」
その覚悟が、今も店を支える芯になっています。
● 父の“名残”が息づく、移転後の新しい店舗
2023年、老朽化した旧店舗から現在の場所へ移転。
内装もレイアウトも大きく変わりましたが、「父の名残は、確かにここにある」と岡本先生は語ります。
たとえば、接客のときの言葉遣いや間の取り方、お客様とのちょうど良い距離感。
目に見えない部分に、圭之輔先生のスタイルがしっかりと生きています。
「お客様と話していると、ふと父が使っていた言い回しが自分の口から出てきて、びっくりすることがあるんです」と岡本先生は微笑みます。無意識のうちにしみついている父の言葉。そこに流れる時間が、今もお店の中に息づいていることを感じさせます。
● 変わらぬ人気はもちろん「レオピンシリーズ」
神戸ファーマシーでは、長年愛され続けている「レオピンシリーズ」が、今も多くのお客様に支持されています。
そして、岡本先生が今おすすめしているのが「銀河水」。
1本1200円という価格に驚かれることもありますが、水にこだわるお客様には、その価値がしっかり伝わっているといいます。
お客様は50〜70代が中心ですが、最近では若い会社員の方が「病院に行くほどではないけど、ちょっとしんどくて」と訪れることも増えてきました。
そんな時に、ふらっと立ち寄れる場所でありたい――岡本先生の接客には、常にそんな気遣いが込められています。
● 「焦らず、でも止まらず」これからの歩み
現在、岡本先生は店に一人で立ち、商品の管理からお客様対応まですべてを担っています。
「V字回復を目指して」と笑いながらも、どこか落ち着いた表情。
SNSや広告など、新しい情報発信の手法にも前向きに取り組みながら、焦らず、でも止まらずに進んでいます。
一人で守るカウンター、その奥に流れる家族の記憶と、地域への想い。
神戸ファーマシーには、あたたかく、確かな“心の処方”が今日も静かに置かれていました。
記者/畑 世剛(近三連情報部長)
今回九州連合会よりご紹介するお店は、鹿児島県鹿児島市で営業されている、「くすりの誠和堂」様です。
「鹿児島といえばやはり〝桜島〟が一番の自慢です!雄大な姿にはいつも勇気をもらい、鹿児島人としての誇りですね。」と、にこやかに話される、鹿児島部会長の阿世知繁先生のお店に訪問してきました。
鹿児島には、黒牛、黒豚、黒薩摩鶏、黒酢、黒千代香(くろじょか)、黒麹などなど…
鹿児島を訪れた際は、「黒」を目印にしていろいろ楽しんでくださいねと、鹿児島愛溢れる先生です。
今年は最強最長寒波で、鹿児島県内もたくさんの雪が降り、桜島がめずらしく雪化粧となりました。
以前までは、同じ九州内でも遠い鹿児島県のイメージがありましたが、2011年に九州新幹線が全線開通してからは、博多から鹿児島まで最短で1時間20分ほどで行けるようになり、意外と近い鹿児島県になりました。
くすりの誠和堂様は、九州新幹線の終着駅「鹿児島中央駅」より車で10分ほどの山の上の住宅地の主要道路に面して位置しており、お店の向かいにはスーパー、鹿児島銀行、郵便局があり、車も人の通りも多く、活気のある場所で営業をされています。
阿世知先生は、30年ほど前に、西鹿児島駅(今の鹿児島中央駅)前にあった誠和堂薬局に入社され、石塚叔郎先生のもとで薬業人としてスタートされました。
2015年に大恩ある石塚叔郎先生が亡くなられ、その後駅前の再開発にあたって店舗の立ち退きを余儀なくされ、それとともに会社は廃業。阿世知先生は、誠和堂の屋号を引き継ぎ、一度駅の近くに移転をされています。
その後、2021年に現在の場所へ引っ越しをされ、くすりの誠和堂の新たなスタートを切られました。
店舗の中におじゃますると、たくさんのポスターやポップを使っての訴求をしっかり行われており、日専同で学んでおられる『見える化』を意識して、気づきや相談のきっかけづくりがされていました。
また、薬だけではなく、趣味で作成されたプラモデルや、お母さまの手作りのレース編みの作品なども外から見えるようにディスプレイされており、先生のお人柄をしっかりアピールされておりました。
それらを見て、お店に入ってこられるお客様も案外多いんですよ。そこから健康相談に移行することもあり、趣味と実益を兼ねたありがたい展開ですと笑ってお話されました。
また、作業机ではお母さまがレース編みを作られており、ここがお客様との交流の場になっているそうで、「作り方を教えてほしい」とのお客様の要望もあり、このスペースを活用してさらにお客様とのつながりをもっと深くしていきたいと言われていました。この地域の中で、買い物ついでにふらりと立ち寄ってみようかなと思わせる、そんなお店なんだろうな・・と感じました。
また、駅前で営業していたときのお客様も、わざわざ山の上のお店まで足を運んでくださっているそうで、感謝の気持ちでいっぱいですよとお話されました。
そんな阿世知先生は、とても物腰の柔らかい方なのですが、相談を受けておられる姿を拝見していると、お客様の声に寄り添って、いけないことはいけないと強くしっかりとした口調でお客様の心に届く言葉を巧みに使い分けながら助言をし、健康指導をされていました。お客様の健康に真剣に向き合っているからこそであり、最善の方向へ導いていかれる姿がとても勉強になりました。そんな阿世知先生ですが、普段あまり受けない相談の場合にちょっと焦ってしまうこともあるそうで、そんな時は石塚先生から頂いた言葉のひとつである「まずは深呼吸してから相談に入りなさい」ということを大事にして日々、お客様と向き合っておられるそうです。
そして、どのようなお客様にも日々感謝の気持ちで接客、応対することを常に心がけてますとお話されました。
恩師である石塚先生がゴールドの輝かしい実績を築き上げた「誠和堂」の屋号を受け継がれてから10年、息子のように接してくださった石塚先生の想いを心に秘め、教わったことを日々コツコツと実践されておられます。その想いに報いることができるよう、今後も地域のお客様の健康を一番に考えながら、地域のお客様に愛され続けるお店でありたいとお話されました。
最後に、お忙しい中、今回の取材を快くお引き受け頂きました阿世知繁先生、取材協力をしてくれた鹿児島部会の鎌田隆司先生に心より感謝申し上げます。
記者/南里徹也(九州連情報部長)/鎌田隆司(鹿児島部会・ヤング)
全国の同志の先生方、こんにちは。いつも大変お世話になっております。今回、中国連合会からは「漢香堂」さんをご紹介させていただきます。「漢香堂」さんのある竹原市は広島県南中部に位置し、人口2万人強、古くから瀬戸内の交通の要衝として発展しました。年明け直ぐに訪問させて頂いたのですが、その日が今シーズン最強寒波襲来…。
ノーマルタイヤしか持っておらず、無事行けるのか不安でしたが、何とか時間内に到着。
まず到着して驚いたのが店舗が雑居ビルの1室。しかも2F!!
恐る恐るドアを開けると鳥井先生が笑顔でお迎えして下さいました。
お店の雰囲気は薬店・雑貨屋・リビングが融合したようなお店で、とても温かみがあり、友達の家に遊びに来ている感じでした。
鳥井先生は2019年(日専同歴3年半)に取り扱いがしたかった商圏が被っていなかったご縁もあり竹原市に開店されました。元々はマッサージ・アロマテラピーの仕事をされていましたが、漢方に興味を持たれ薬業界へ転職されました。店内には医薬品だけでなく、作家さんとコラボした雑貨(アップサイクル商品)にアロマ・化粧品にと女性が喜びそうなアイテムが所狭しと置いてあり、きめ細かだなと感じた半面、棚やカウンターなどはほとんど鳥井先生がDIYで作られたとお聞きして驚きました!!
お客様の層は30代~ 50代のお客様が多く、市内と市外の方が半々でしたが、2021年に近隣の日専同のお店の閉店に伴い、70代~90代のお客様が増えたみたいです。商品を売るのが目当てではなく、お店を知って頂く事に注力され積極的にイベントなどにも参加されています。お客様との連絡ツールはLINEを使用(予約・質問など)Instagramもコミュニケーションツー
ルとして使用されており、意識している事は商品ではなく「個」をいかに出すか! SNSだけではなく気軽に読んでもらえる様に「漢香堂通信」も発刊されており、デジタルとアナログの二刀流で集客されています。
店内イベントも定期的に開催され、抽選会・漢方茶作り・ガチャポン・お客様と作る写真展・お菓子博などお客様がワクワクする事を常に考えているそうです。
既存のお客様だけでなく、来店動機のきっかけ作りを楽しんでいる感じがしました。
日専同に入会した時のイメージをお聞きしたら「とにかく怖かった…」入会2週間でゼミに参加して、国歌斉唱に綱領唱和。規律にも厳しく宗教かと思ったみたいです(笑)。
たまたま担当部会で受付をしたけど誰の顔も分からず右往左往。だけど今では皆さん優しく接して
下さり参加が楽しくなってきた!!
とおっしゃられて嬉しくなりました。
部会もベテランの先生と若手の先生のバランスが良く、部会LINEグループでモチベーションを維持しているそうです。
モットーは『ときめきは気を育む』自分が楽しいと思う事をする!!
「2:7:1」の法則…2割は自分を好きな人 7割はどちらでもない人 1割は嫌いな人
自分を好きな2割のお客様を大切にしたいし、家族を思って接遇するとおっしゃられていました。鳥井先生、この度は急なお願いにもかかわらずお時間を作っていただきありがとうございました。中国ヤングへの入会もお待ちしております。
記者/工藤真弘(中国連合会情報部長)