(1)0歳児

元氣創造実現のため、これから0歳児から取り組んでいかねばならないことを書き綴ってまいります。私どもの究極の願いは「人間が生まれて無病息災で天寿を全うするために各年代ごとにやるべきことに取り組んで頂き、介護のいらないピンピンコロリ型の活力ある日本・日本人を創生すること」です。私どもはこれからそれを伝えていきたいと念じています。

今の日本は核家族化が進み、生活の知恵が伝承されていません。また誤った情報が氾濫しています。特に育児に関してはそれが甚だしい状況で、今はますます離乳食を早めていく方向です。しかしながら人間の腸がまともに機能するには十ヶ月程かかります。それまではたんぱく質を十分に消化しないで吸収してしまうため、身体は異物とみなし防衛反応としてIgE抗体を産生します。その結果がアレルギー体質となります。
これは昭和40年代にスポック博士の育児書が医者やインテリ層にもてはやされ、昭和55年には厚生省がこれを全て母子健康手帳に導入しました。この昭和55年はアメリカで乳児ボツリヌス症が起こってスポック博士がアメリカの医学会から完全に追放された時です。

このように1歳未満の子にはたんぱく質はポイズン(毒)だというアメリカ医学会の常識は、残念ながらスポック博士の誤った育児法を頑なに守っている日本では全く知られていないのです。
それから昔は赤ちゃんを産婆さんが取り出した後、すぐに毛布にくるむのではなく、暫く放置していました。それは寒さを体感させ熱産生を促すためだったのですが今は温かい部屋で過ごさせます。これでは熱産生機能が働かず、結果的に低体温・低代謝の子になる素地となります。生後3週間以内に寒さを体感させることが重要なことです。
他に育児の間違いにおしゃぶりを使わなくなったことが挙げられます。おしゃぶりをすることで口呼吸を防ぎ、鼻呼吸の習慣づけができます。

人間は言葉をしゃべることによって口呼吸ができる唯一の哺乳動物です。口呼吸は鼻呼吸と違い吸気に加温加湿ができず、酸素摂取量が少なくなります。また、扁桃腺からバクテリアが侵入しやすくなり、さらに唾液分泌量も低下して免疫系にも異常を起こしやすくなります。口を開けた子どもが多いのに気付かれると思いますが、口呼吸でなく鼻呼吸ができるように育てましょう。 また育児の基本は頤(おとがい=下顎)をいかに発達させるかということと、甘味からの脱却です。
母乳は哺乳瓶と違い舌を巻きながら使いますので下顎が発達します。ただし母親が糖分を摂り過ぎますと母乳の質の低下を招くとともに水分が多く出すぎるおっぱいとなりますので注意が必要です。

もう一つの甘味からの脱却ですが、人間が本能的に受け入れる味は、血液のサインである塩味と、エネルギーのサインである甘味です。他は教育する味です。その中でも特に受け付けにくい味が酸味です。
一番覚えにくい味を白紙の状態で刷り込むことが大事です。そのため、生まれて早い時期に梅干やレモン汁を少し口につけます。最初嫌そうにしますが段々と味に慣れてきます。嫌な顔しても教育する味であることを忘れないように!

離乳食はご飯から始めます。重湯=母湯でフーフーすることで母の「いのち」が伝わります。そしてお粥へと徐々に堅くしていくことです。古事記にも「飯噛」=(いいかみ)として載っています。母親の唾液で免疫力も高まります。
また離乳食はレトルト等のもどきではなくて本物の味を刷り込みましょう。三つ子の魂百までと言われるように最初に刷り込んだ味覚が元氣で長生きのためにも大事なのです。


(2)1歳児から2歳児

前にも書きましたが、離乳食は本物の味を脳に刷り込む点において大事なことがらです。「三つ子の魂百まで」と諺にあるように、3歳までの教育の仕方でその子の将来が大きく左右されます。

さて、1歳を過ぎますと今度は「食べ方」と「飲み方」を教育してまいります。
最近食事中に水分を摂ることが当たり前の風潮がありますが、食事中に摂れば流し込みになり咀嚼ができず胃液も薄まり消化不良を起こしアレルギーなど免疫系(腸管免疫)の異常を起こします。そうならないように小さいときからの教育が大切です。

食事の時には「カミカミ」と擬声語を発しながら、噛むという動作を身につけさせるために脳に刷り込みを行っていきます。また、水分を与える時にも同じように「グジュグジュゴックン」と言いながら飲ませます。アレルギーの子どもは、このゴックンという飲み込み動作ができておらず、口に入れた途端食道に入っています。唾液を出す飲み方をしないと水分の過剰摂取が起こり腸が冷え、腸管免疫が狂います。このゴックンの飲み込む動作を刷り込むことが重要です。

また、1歳を過ぎますとハイハイから立っちして動き回るようになりますが、赤ちゃんは骨格的に頭が大きく重たいので、がに股で腰を丸くして重い頭を支えます。その結果、二本足で立つことによる骨格の歪み(上下・前後・左右)からの腸の働きが弱りやすくなります。腸の働きが弱ると、便秘下痢だけでなく発熱や発疹が現れやすくなりますが、発熱の場合でも解熱剤を使わず骨盤の歪みを取り、腸の働きを高め、おならが元氣良く出るようになると熱が下がります。

0歳児の場合もお母さんの抱き癖で歪みができますので、この骨盤調整は生まれてすぐから1日何度もしてあげることが大切です。


足側に座り、足のすねかひざに手を添えるか、またはお尻に手を入れて肘を畳につけて力が入らない状態にします。手のひらの小指球(小指側のふくらみ部)を軽く添え、微妙に1~2mmバイブレーションをかけるように上下に揺すります。指で握るように持つと赤ちゃんが嫌がります。


①と同様に手を添え、右手のひらの小指球で軽く左右に揺すります。この時、左手小指球部は添えておくだけで動かさず、右手だけで動かします。①②の運動とも2~3分ずつ行います。揺すりすぎはいけません。赤ちゃんの筋肉は柔らかいので優しく!


腰部に手を入れ、軽く腰をそらしストンと落とします。一度に4~5回行います。この一連の動作を何度か繰り返します。その後、腰ベルト部を軽くくすぐります。「コチョコチョッ」とくすぐりちょっと間をおいてまた行います。最後にお腹を矢印方向に指先で軽く擦(さす)ります。これも腸の働きを良くする運動です。


(3)3歳児から5歳児

前にも書きましたが、「食べ方」と「飲み方」を教育することが将来病気になりにくい健康で元気な身体づくりにとても重要です。
この年齢になりますと保育園・幼稚園に通わせるようになりますが、集団の中で悪しき作法を真似することも多くなります。家庭の中ではしっかりと躾をしてまいりましょう。
躾という字は身・身体が美しいと書くように、躾とは理にかなった動きや作法を教えることです。特にこの年齢で教え込むことに、「箸の持ち方」があります。

アレルギーの子どもは、箸をうまく使えません。二本がクロスする×箸で、ものが掴めないためにお皿を口に持っていって、いわゆる犬喰いをします。
その結果、噛まない流し込みの食べ方になり、さらに水分を一緒に摂ることで、胃液が薄まり消化不良を起こし、腸内の異常発酵からガスが充満します。さらに、腸の機能は低下し腸管免疫が正常に作動せずアレルギーが発現します。
そうならないためにもお箸の持ち方を練習させ体得させることが大変重要です。しかもこれには時間がかかり、親の根気が求められます。将来の子どものための大事な教育として取り組んでください。

また食事中に水分を摂りたがりますが、食べ物をよくカミカミして飲み込んでから、水分をチョコっと口に入れて、お口の中でグジュグジュゴックンさせたり、モグモグしてからゴックンさせます。
調理も軟らかいものばかりではなくて噛まないと食べれない硬いものも組み入れてください。例えば子どもの好きなハンバーグも、挽き肉だと何回も噛みませんが、スライス肉を包丁で切って使いますと、肉の旨みもさることながら、自然と噛む回数が増えます。
カレーのときも材料を大ぶりに切りましょう。また“ゴボウの酢だき”を利用してください。


(4)5歳児から6歳児


小学校に上がる前に躾しておくことに、

 ・食事中に水分を摂らない食べ方
 ・噛むことによって顎の発達を促し永久歯がきちんと32本生える頤とする
 ・梅干を食べる習慣づけと酢に慣らさせる
 ・酸味だけでなく苦味・えぐ味を脳に刷り込む


といったことが挙げられます。

幼稚園や小学校のぎょう虫検査に引っかかる子は唾液不足の子と言われています。それは唾液と胃液と混ざるとローダン酸塩という強い殺菌剤ができ、侵入してきた菌や虫も殺してしまうからです。
神経質に手洗いを励行し除菌するお母様を多く見受けますが、かえって人間の持つ雑菌との共生を阻害することで免疫力も低下してしまう結果となります。
また多動症など精神不安定な状態になる大きな一因として普段の生活習慣の中で、咀嚼機能が弱く、偏食で水分過多で、結果鼻呼吸ができていないということが挙げられます。

またストレス対応能力を上げ精神的に強くなるためにも、噛むことが重要ですし、温野菜をたっぷり食べること、また偏ったものばかり食べさせずに好き嫌いのない子に育てることが大切です。
小さいときの食習慣(食べ方・飲み方・箸の使い方)、食歴は、一生涯を決定付けるといっても過言ではありません。
今は共働きが多く、育児や子育てに構っていられないと言われるお母様が多いのですが、子どもが元氣で幸せで長生きすることを願わないお母様は一人もいらっしゃらないはずです。育児と子育てはやり直しがきかない、ききにくい大切な教育です。教育とは、教え育むことです。ああしなさい、こうしなさいの一方通行ではなく、何故なのかを一緒に考え実践していくことが大切だと思います。
店頭で、多くの体調の悪い子を指導していますが、子どもには分からないだろうと思われることも年齢に関係なく、どうすれば良くなるか、気持ちよくなれるか、何故梅干を食べなくちゃいけないのか等を、子どもと目線を合わせて話しますと、ちゃんと理解し、けなげなほど実行してくれます。
子どもの感性は素晴らしく、良いことは身体で感じ実行します。何事も最初が肝心。やれることから努力してください。

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